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⑤将来に関する悩み相談の事例

フリーターのFさんと初めてのコーチングセッションを持ったのは、ずいぶん前のことです。
Fさんはまだ20代前半、私から見れば、まさにこれからの人で、バラ色の未来が待っているような気がしました。
しかし、コーチングセッションが始まって、すぐに分かりました。Fさんは、全てに無気力になっていたのです。
このままフリーターを続けるのか、社員として就職をするのか、そもそも、自分探しのためにフリーターという道を選んだのに、自分自身がどういう人間なのか、分からなくなっているようでした。
この場合、「将来、どうなりたいのですか?」と質問しても、Fさんには、現実感が湧かない質問になってしまうでしょう。それが分かっていれば、私に悩み相談をしたりしません。
私は、1回~4回目のコーチングセッションで、「何が得意ですか?」、「今、興味があることは何ですか?」、「1か月、自由に使える時間とお金があったら、何がしたいですか?」など、ひたすらFさんの率直な今の気持ちを引き出していきました。
最初、あまり積極的に話さなかったFさんも、5回目あたりのコーチングセッションからは、進んで自分のことについて語り出すようになりました。
転機が訪れたのは、7回目のコーチングセッションです。いつにも増して、ある事に関して、Fさんは饒舌に語ってくれました。
私は、「それが今、Fさん自身ができたら、どんな気持ちですか?」と質問してみました。
Fさんの答えは、「仮に自分ができたら、毎日が楽しくなると思います。」でした。
私は、「では、Fさんができるようになるためには、何が必要ですか?」と続けました。Fさんは自分の考えを色々と話してくれました。
私は最後に「やってみますか?」と質問したところ、「やってみようと思います」と、初めて前向きな自分の意志を示してくれました。
ここから、本格的に、将来へ向けてのコーチングセッションがスタートしました。
10回目のセッションで1年後のこと、11回目のセッションで3年後のこと、12回目のセッションでもっと先の将来のこと、次々にFさんのビジョンが明らかになっていきました。
今回のケースでは、チャンクダウンからチャンクアップし、ビジョンコーチングに持っていくという、私が主に若者に対して使う手法を使いました。それが、上手く機能した一例です。

         

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